2017年9月20日水曜日

「論語と算盤」その1

約1年にわたり「論語と算盤」の読書会参加の初日であった。

「論語と算盤」の著者といえば、日本の近代化はこの方無くしては
あり得ないほどの影響力を示した渋沢栄一である。

この読書会は、渋沢栄一記念財団が毎年希望者を募集しているもので、
今年は7期目とのこと。
当財団は、北区西ヶ原の飛鳥山にある渋沢資料館内にある。

参加者は60~70名であり、19:00スタート。明らかに年配者だと
見られる人が多く感じれたが、中には上場企業の人材教育に携わって
いる人もいるようだ。

渋沢栄一とは、いったい何をやった人なのか?
日本史の教科書には、日本で初めて銀行を創立した人、というくらいで
あろう。自分も学生時代は名前くらいしか知らなかった。

実は、500もの会社、600もの私設財団を創ったもの凄い人。
主に①金融、②インフラ、③教育 の3本柱に注力し、銀行、運送会社、
学校などの事業を起こした。

19世紀後半から20世紀前半にかけての植民地政策が盛んであったころ、
己の力で西洋文明を取り入れて、国力を高めて独立を死守した日本。
ほとんどの国が植民地となることになったが、自らの力で守り抜いた
唯一の国なのだ。

その背景には渋沢栄一の大活躍があってのこと。
数々の産業を立ち上げ、経済発展の起爆剤となったのだ。
おまけに築いた事業会社は私的な財閥化にはせず、
どんどん人に任せ譲ることで、日本は分厚い経済力を手に
入れることができたのだ。

しかし、当時のビジネスに対する日本の慣行は、今では想像できない
くらい節操がなく、せこくて、騙すし、透かしが横行し、
信用ゼロ、と言われたくらいのようだった。

そのため、渋沢栄一は幼少の頃に学んだ「論語」のエッセンスをビジネスに
取り込み、ビジネスを通じて信用・信頼を育むことを目的として、経済発展に
繋げていった。その根本が「論語と算盤」に語られている。

これから10回にわけて、読書と討議という形式で学びが始まる。
過去に読んではいるものの、再度勉強して理解を深め、自分の生き方と
将来計画している起業に向けた土台つくりとしていこう、楽しみである。
感謝!

(今日の論語)
子貢(しこう)、政(せい)を問う。子曰わく、食を足し兵を足し、
民をしてこれを信ぜしむ。
子貢が曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、
斯(こ)の三者(さんしゃ)に於(おい)て何(いず)れをか先きにせん。
曰わく、兵を去らん。曰わく、必ず已むを得ずして去らば、
斯の二者(にしゃ)に於て何ずれをか先きにせん。
曰わく、食を去らん。古(いにしえ)より皆死あり、
民は信なくんば立たず。

弟子の子貢が孔子先生に、政治はどんなことかを質問した。
先生はおっしゃった、人民への食料を確保し、軍備を備えて、
人民からの信頼を得ることだね。
子貢が突っ込んで質問した、ではやえない事情があって、この
三つのうちから削るとしたら、どれですか?
先生は回答、軍備だよ。では、更に子貢はつっこんだ、
ではまたまたやも得ない事業により、二つのうち削るとしたら、
どちらを優先しますか?
先生は回答、食料だよ。人は死は免れない、でも人民から信頼を
得ていなければ、政治そのものは成り立たないよ!

つまり、信用・信頼がもっとも大切ということだな。


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